人工股関節を勧められた・手術を受けた方へ|股関節の運動をどう考える?

「人工股関節を勧められたけれど、できれば手術は避けたい」

「人工股関節を入れたら、今までのように動けなくなるのでは?」

「手術が終わったら、もう運動は必要ない?」

「旅行やゴルフには、また行けるようになる?」

人工股関節の手術を検討している方や、すでに手術を受けた方からは、このような不安や疑問を伺うことがあります。

股関節の状態や症状、必要な治療は一人ひとり異なります。

人工股関節の手術が必要かどうか、いつ手術を受けるかについては、医師による診断と相談が必要です。

一方で、手術を検討している段階でも、手術を受けた後でも、身体を動かすための筋力や体力、動作を整えていくことは大切です。

今回は、人工股関節と運動について、CLUB100が大切にしている「機能運動」の視点から考えてみます。

人工股関節はどのようなときに検討される?

変形性股関節症では、脚の付け根の痛みや、歩行、階段の上り下り、靴下を履くなどの日常動作に支障が出ることがあります。

治療では、身体の状態に応じて生活上の工夫や運動療法、薬物療法などが行われ、それでも症状が十分に改善せず、関節の変形が進んでいる場合などに人工股関節置換術が選択肢となります。

人工股関節は、「できれば入れたくないもの」と捉えられることもあります。

しかし、必要な方にとっては、痛みを軽減し、日常生活や活動範囲を取り戻すための治療の一つです。

大切なのは、人工股関節を入れること自体を「良い・悪い」で考えるのではなく、現在の股関節の状態と、これからどのような生活を送りたいのかを踏まえて医師と相談することです。

「人工股関節を入れたくない」と考えている方へ

人工股関節を勧められたとき、

「運動を頑張れば、手術をしなくても済むのでは?」

と考える方もいらっしゃるかもしれません。

ただし、運動によって関節の形や、すでに生じている構造的な変化そのものを元に戻せるわけではありません。

一方で、運動によって取り組めることもあります。

例えば、股関節周囲の筋力を保つこと、現在使える範囲で股関節を動かすこと、骨盤や体幹を安定させること、歩行や日常動作を見直すことなどです。

変形性股関節症では、痛みから活動量が低下すると筋力も低下しやすいため、状態に合わせて慎重に運動を始め、徐々に強度を高めることが重要とされています。

つまり、運動の目的を「手術を避けること」だけにする必要はありません。

現在の身体でできることを維持・向上させ、できるだけ快適に日常生活を送れる状態をつくることも、運動の大切な役割です。

手術前にも身体を動かしておくことが大切

人工股関節の手術を受けることになった場合も、可能な範囲で身体機能を維持しておくことが大切です。

手術後の生活では、立ち上がる、歩く、階段を使うといった動作が必要になります。

そこで必要になるのは、手術をする股関節だけではありません。

反対側の脚、体幹、上半身、バランス能力、全身の体力なども関わります。

痛みが強い状態で無理に運動する必要はありませんが、主治医や医療スタッフから示された範囲の中で、身体機能をできるだけ保っておくという考え方も重要です。

人工股関節を入れた後も運動は必要?

人工股関節の手術が終わったことと、身体の機能がすべて元に戻ったことは同じではありません。

手術前から長期間痛みを抱えていた方では、股関節周囲の筋力低下や左右差、歩き方の癖、活動量の低下などが残っていることがあります。

そのため術後は、医療機関でのリハビリテーションを通じて、関節の動きや筋力、立位、歩行などを段階的に回復していきます。人工股関節全置換術後についても、歩行や応用歩行を含む理学療法がガイドラインで扱われています。

そして、日常生活に戻った後にも、

「もっと長く歩けるようになりたい」

「旅行へ行きたい」

「ゴルフを続けたい」

「将来も自分の脚で生活したい」

といった次の目標が出てくることがあります。

人工股関節術後でも、ウォーキング、水泳、ゴルフ、サイクリングなどの活動を続けている方はいますが、可能な運動や再開時期は、手術方法や術後経過によって異なります。必ず主治医の指示を確認することが必要です。

「痛くなくなった」その先の身体づくり

CLUB100では、痛みがなくなることだけをゴールとは考えていません。

例えば、

「歩ける」と「旅行先で一日歩いても疲れにくい」

「階段を上れる」と「手すりに頼らず安定して上れる」

「ゴルフができる」と「18ホールを楽しめる」

では、必要な身体機能が異なります。

だからこそ、医療機関での治療やリハビリを終えた後も、その方がどのような生活を送りたいのかに合わせて、身体機能を高めていくことが重要になります。

CLUB100では人工股関節だけを見ません

人工股関節が入っているからといって、すべての方に同じトレーニングが必要なわけではありません。

CLUB100では、股関節の可動性や筋力だけでなく、骨盤や体幹の安定性、反対側の股関節、膝や足部とのつながり、バランス、歩行、日常生活で困っている動作なども確認します。

また、手術前後の経過や、医師から伝えられている運動上の注意事項についても確認します。

そのうえで、

「動かせる」
「支えられる」
「日常生活や趣味の中で使える」

という段階を、その方の身体の状態に合わせて進めていきます。

これは人工股関節に限らず、CLUB100が股関節のトレーニングで大切にしている考え方です。

人工股関節でも、目標は「その人らしく動き続けること」

人工股関節の手術をするかどうか、いつ手術をするのかは、股関節の状態や症状、生活への影響などを踏まえて医師と相談しながら決める必要があります。

そして、手術をする場合でも、しない場合でも、身体を動かすための筋力や体力を保つことには意味があります。

大切なのは、

「人工股関節だから何ができないのか」だけではなく、「これから何をできるようになりたいのか」を考えること。

その目標によって、必要な身体づくりも変わります。

中野ジェームズ修一著『すごい股関節』でも、股関節の構造や動き、股関節を支えるための筋力などについて詳しく紹介しています。

ブログ関連記事:股関節が硬い・詰まる原因と快適に動くための身体づくり

◆人工股関節や股関節の痛みについて、運動の進め方に迷っている方へ◆

CLUB100では、

「人工股関節を勧められたけれど、どのように身体を動かしたらよいか分からない」

「手術後のリハビリを終えた後も、身体づくりを続けたい」

「旅行やゴルフなど、好きなことをこれからも続けたい」

といった方のご相談もお受けしています。

医療機関での診断や治療方針、運動上の注意事項を確認したうえで、一人ひとりの身体の状態と目標に合わせた運動をご提案します。

股関節だけを見るのではなく、身体全体から、その方らしく動き続けるための身体づくりを考える。

それがCLUB100の「機能運動」です。

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この記事の監修者

中野ジェームズ 修一

中野ジェームズ 修一

最高技術責任者

日本では数少ないメンタルとフィジカルの両面を指導できるトレーナー。 「理論的かつ結果を出すトレーナー」として、卓球の福原愛選手やバドミントンの藤井瑞希選手など、多くのアスリートから絶大な支持を得る。 2014年からは青山学院大学駅伝チームのフィジカル強化も担当。 近年は超高齢化社会における健康寿命延伸のための啓蒙活動や、生活習慣病対策を軸とした企業の健康経営サポートなどにも注力している。 主な著書に『医師に運動しなさいと言われたら最初に読む本』(日経BP)『青トレ』(徳間書店)などベストセラー多数。書籍の累計発行総数は200万部を超える。「NHK趣味どきっ!柔軟講座」や「世界一受けたい授業」などテレビでもおなじみ。

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